優しい失恋

もう10年くらい前の話ですが、すごく好きな人がいました。

大学を卒業してすぐに入社した会社の先輩でした。とても面倒見が良くて、社会に出たてのフラフラした私をフォローしてくれる頼りになる人でした。最初は好きとかいう感情はなかったのですが、ある日の飲み会で、先輩の事が好きだと自覚してしまったのです。

でも、私よりも6歳も年上の人。彼女がいてもおかしくありません。でも好きだという気持ちはどんどん膨らんでいって、顔を見るだけで涙が出てくるようになってしまいました。

同期で入った友達には先輩が好きなのだということは伝えていましたが、会社の誰にも知られるわけにはいきません。そこで思い切って手紙を書いて、先輩の机の引き出しにそっと入れました。とても好きなのだということ、できれば付き合ってほしい、他にも思い出せないくらいの気持ちを手紙3枚に詰め込みました。

手紙を入れたその日は、後悔と期待でいっぱいでした。

手紙なんて入れなきゃよかった、いえひょっとしたら先輩も私を好きになってくれるかもしれない。朝まで気持ちが揺れ動いて眠れませんでした。

ドキドキしながら出社すると、先輩は早くに出社していて、私の机の引き出しに返事を入れてくれていました。とても丁寧に、婚約者がいること、その人と結婚するために近く会社を退社することが書かれてありました。そして、最後に好きになってくれてありがとう、と締めくくられていました。とても優しい失恋でした。

あれから今の夫とお見合いして結婚しましたが、今でもあの恋以上の恋はしたことはありません。

参照サイト 失恋から立ち直るには?辛い失恋を忘れる方法と乗り越えるために知っておくべき事実。